業務用エアコン

業務用エアコンの形状について解説!

業務用エアコンは、オフィスビル、商業施設、工場などさまざまな場所で使用されており、その形状や設置方法によって効率的な冷暖房が可能になります。エアコンの形状は、設置場所や用途に合わせて選ばれるため、各形状の特徴や利点を理解することが重要です。この記事では、業務用エアコンの形状について、具体的なデータや表を交えながら詳しく解説します。

業務用エアコンの主要な形状

業務用エアコンの形状にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。以下に、一般的な業務用エアコンの形状とその特徴を紹介します。

1. 天井カセット型エアコン

天井カセット型エアコンは、天井に埋め込む形で設置されるエアコンで、見た目がスッキリしており、空間全体を均等に冷暖房することができます。主にオフィスや店舗で使用されています。

特徴:

  • 天井に埋め込むため、インテリアに溶け込みやすい
  • 4方向に風を送ることができ、部屋全体を均等に冷暖房
  • 設置が比較的簡単で、メンテナンスも容易

主な用途:

  • オフィス
  • 小売店
  • レストラン

天井カセット型エアコンの仕様例:

メーカーモデル冷暖房能力(kW)価格帯(円)
ダイキンFDUシリーズ4.0〜14.025万〜50万円
パナソニックPA-Pシリーズ3.6〜11.222万〜45万円
三菱電機PLZシリーズ4.0〜14.028万〜55万円

2. 天井吊り型エアコン

天井吊り型エアコンは、天井から吊り下げる形で設置され、広い空間を効率的に冷暖房できます。高い天井がある場所や大規模な空間でよく使用されます。

特徴:

  • 広い空間でも均一に冷暖房が可能
  • 吊り下げ設置で、床面積を有効に利用できる
  • 直接風が当たらないように設置可能で、快適性が高い

主な用途:

  • 大型オフィス
  • 工場
  • ホール

天井吊り型エアコンの仕様例:

メーカーモデル冷暖房能力(kW)価格帯(円)
東芝AUEシリーズ4.0〜14.018万〜45万円
日立RCIシリーズ3.6〜10.020万〜40万円
富士通ゼネラルARXシリーズ5.0〜12.522万〜50万円

3. 壁掛け型エアコン

壁掛け型エアコンは、壁に取り付けて使用するタイプで、小規模なオフィスや店舗に適しています。設置が簡単で、コストパフォーマンスに優れています。

特徴:

  • 設置コストが低く、工事が簡単
  • 小規模な空間での使用に適している
  • メンテナンスが容易

主な用途:

  • 小規模オフィス
  • 小型店舗
  • 個室

壁掛け型エアコンの仕様例:

メーカーモデル冷暖房能力(kW)価格帯(円)
シャープAYシリーズ2.2〜5.612万〜28万円
三菱重工SRKシリーズ2.8〜6.310万〜25万円
コロナCSHシリーズ2.5〜5.015万〜30万円

4. 床置き型エアコン

床置き型エアコンは、床に直接設置するタイプで、壁や天井のスペースを使わずに済みます。事務所や待合室、サーバールームなどで使用されます。

特徴:

  • 壁や天井スペースを使用しない
  • 直接人に風が当たらないように設置可能
  • 高い冷暖房能力を持つ

主な用途:

  • 事務所
  • 待合室
  • サーバールーム

床置き型エアコンの仕様例:

メーカーモデル冷暖房能力(kW)価格帯(円)
日立RAFシリーズ4.0〜10.025万〜50万円
三菱電機PCAシリーズ3.6〜7.120万〜45万円
東芝PAVシリーズ3.6〜9.022万〜48万円

5. ダクト型エアコン

ダクト型エアコンは、天井裏に設置されたダクトを通じて、複数の部屋に冷暖房を供給するタイプです。ビル全体や大規模な施設での空調管理に適しています。

特徴:

  • 一台で複数の部屋を冷暖房可能
  • インテリアを損なわない
  • 設置とメンテナンスが比較的複雑

主な用途:

  • 大規模オフィスビル
  • 商業施設
  • ホテル

ダクト型エアコンの仕様例:

メーカーモデル冷暖房能力(kW)価格帯(円)
ダイキンVRVシリーズ10.0〜20.050万〜100万円
パナソニックPACiシリーズ8.0〜16.040万〜80万円
三菱電機PURYシリーズ10.0〜18.060万〜90万円

業務用エアコンの形状選定のポイント

1. 部屋の広さと形状

エアコンの形状を選ぶ際には、部屋の広さと形状を考慮することが重要です。例えば、広い空間や高い天井がある場所には天井吊り型やダクト型が適しており、均等に冷暖房することができます。一方、狭い空間や個室には、設置が簡単でコストパフォーマンスの高い壁掛け型や床置き型が適しています。

2. インテリアと美観

エアコンの形状は、部屋のインテリアデザインにも影響を与えます。天井カセット型やダクト型は天井に埋め込まれるため、目立たずに設置でき、インテリアに溶け込みやすいです。一方、壁掛け型や床置き型は、設置場所が露出するため、デザインに合わせた選択が必要です。

3. 風の流れと快適性

エアコンの形状によって、風の流れも異なります。天井カセット型は4方向に風を送ることができ、部屋全体を均等に冷暖房できます。天井吊り型やダクト型は、広範囲にわたって効率的に風を送ることができ、広い空間に適しています。床置き型や壁掛け型は、直接風が人に当たりにくいように設置することが可能で、快適性を高めることができます。

4. メンテナンスのしやすさ

エアコンの形状によってメンテナンスのしやすさが異なります。壁掛け型や床置き型は、フィルターの掃除や部品交換が容易で、メンテナンスが簡単です。天井カセット型や天井吊り型も比較的メンテナンスがしやすいですが、ダクト型エアコンは設置が複雑で、メンテナンスにも手間がかかる場合があります。

5. コストとエネルギー効率

エアコンの形状選定には、コストとエネルギー効率も考慮する必要があります。設置コストが高くなる形状もあれば、初期費用は低いが長期的なランニングコストが高くなる形状もあります。エネルギー効率の高い形状を選ぶことで、電気代の削減と環境負荷の低減が期待できます。

形状別コスト比較:

エアコンの形状初期費用(目安、円)メンテナンス費用(目安、円/年)エネルギー効率(COP)
天井カセット型20万〜60万円約5万〜8万円3.0〜4.0
天井吊り型15万〜50万円約6万〜10万円2.8〜3.8
壁掛け型10万〜30万円約4万〜6万円3.2〜4.0
床置き型20万〜50万円約5万〜8万円3.0〜4.0
ダクト型30万〜100万円約7万〜12万円3.5〜4.5

業務用エアコン形状選定の事例

事例1: 中規模オフィス(約50㎡)

  • 選定形状: 天井カセット型エアコン
  • 理由: 天井に埋め込むことで見た目がスッキリし、オフィス全体を均等に冷暖房できる。メンテナンスも比較的簡単で、コストパフォーマンスが高い。
  • コスト: 約30万円(エアコン本体と設置費用)

事例2: 大型ホール(約200㎡)

  • 選定形状: 天井吊り型エアコン
  • 理由: 広い空間でも効率的に冷暖房が可能で、天井から吊り下げることで床面積を有効活用できる。設置が比較的容易で、メンテナンスも行いやすい。
  • コスト: 約60万円(エアコン本体と設置費用)

事例3: 小規模店舗(約30㎡)

  • 選定形状: 壁掛け型エアコン
  • 理由: 設置が簡単で初期費用が低く、狭い空間でも効果的に冷暖房が可能。メンテナンスも容易で、コストを抑えられる。
  • コスト: 約15万円(エアコン本体と設置費用)

まとめ

業務用エアコンの形状選定は、設置場所や用途に応じて最適な形状を選ぶことが重要です。天井カセット型や天井吊り型は広い空間や高い天井がある場所に適しており、壁掛け型や床置き型は狭い空間やコストを抑えたい場合に最適です。また、ダクト型は複数の部屋を一度に冷暖房する必要がある大規模施設に適しています。形状選定に際しては、部屋の広さ、インテリアデザイン、風の流れ、メンテナンスのしやすさ、コストとエネルギー効率を総合的に考慮することが重要です。最適な業務用エアコンの形状を選ぶことで、効率的な空調管理と快適な室内環境が実現します。